本文へスキップ

共通テストはほぼ同点。東北大の現役合格率は、60%と15%。

福島高校の公表データで読む、一般選抜の現在地

この資料は、塾に誘導するための宣伝資料ではありません。
ここに載せた数字は、ほとんどが福島高校自身が公表している進路データです。学校の授業だけで十分なのか。推薦入試を選ぶときに何を失うのか。合格実績の「大学名」だけを見てよいのか。
その問いに答えずに、進路を決めてはいけません。

本資料は、学校・推薦入試・他塾を一律に否定するものではありません。ただし、東大明倫塾は一般選抜で難関大学・医学部を目指す生徒を対象とする塾です。推薦型・総合型を選ぶ場合でも、メリットだけでなく、見落とされがちなデメリットまで知った上で判断してほしいと考えています。

1.「学校の授業だけで十分」の “十分” とは何か

「学校の授業だけで十分です」——その “十分” は、どの大学に合格するための十分ですか?

高校では、「学校の授業をしっかり受けていれば大丈夫です」と言われることがあります。もちろん、学校の授業は大切です。授業を聞き、定期テストに向けて学習し、提出物を出すことは、高校生活の土台です。しかし、大学受験で本当に必要なのは、次の問いです。

福島大学に合格するために十分なのか。
福島県立医科大学医学部に合格するために十分なのか。
東北大学に合格するために十分なのか。
旧帝大・医学部・早慶理工に合格するために十分なのか。

目標大学が違えば、必要な学力、演習量、開始時期はまったく変わります。この問いには、印象論ではなく数字で答えられます。以下は、福島高校が公表している進路データです。

2.共通テストの平均点は、難関大に届く根拠にはならない

最初に、共通テストの結果を確認します。令和7年度の大学入学共通テスト(自己採点結果)では、全教科で全国平均を上回っています。

令和7年度 大学入学共通テスト 科目別の得点率(福島高校と全国平均)
国語63.477.0%
数学I・A53.566.5%
数学II・B・C51.662.0%
英語リーディング57.774.4%
英語リスニング61.374.8%
物理59.066.1%
化学45.353.7%
生物52.268.9%
情報I69.377.7%
  • 全国平均
  • 福島高校 平均

出典:福島県立福島高等学校「令和7年度大学入試共通テスト 本校受験者数と平均点(自己採点結果)の推移」より。図は一部科目を抜粋し、満点が科目で異なるため当塾が得点率に換算しました(国語のみ200点満点。福島高校154.0点・全国126.7点)。科目ごとに受験者数は異なります。差が読み取れるよう、横軸は40〜85%の範囲だけを描いています。

総合(6教科8科目・1000点満点)福島高校の平均

712.2/ 1000

受験者233名(文系710.1・理系713.3)

ただし、この数字の読み方には注意が必要です。共通テストは、国公立大学の一般選抜志望者を中心に、幅広い受験生が受ける試験です。全国平均には、難関大を志望しない受験生も、私立大の共通テスト利用だけを目的にした受験生も含まれます。

全国平均を上回っていても、難関大を目指す層の中でどこにいるかは、この数字からは分かりません。
共通テストと大学ごとの個別学力試験では、出題形式も採点方法も異なります。共通テストの学校平均だけでは、白紙から方針を立てて記述答案を作る力までは測れません。全国平均を超えたことを、難関大の二次試験に届いた証拠と受け取ってはいけません。

3.現役で国立大に受かるのは、受験の 43%

同じ学校が、大学別・学部別の「受験者数と合格者数」も公表しています。令和7年3月に卒業した学年(現役)の結果は、次のとおりです。

福島高校 現役生の合格率(令和7年3月卒業生・区分別)
国立大273人中 118人43.2%
公立大51人中 32人62.7%
私立大(延べ)668人中 307人46.0%

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。受験者数は延べ数で、同一の生徒が複数の学部・日程を受験した場合はそれぞれ計上されます。合格率は「合格者数÷受験者数」として当塾が算出しました。学校推薦型・総合型選抜による受験・合格を含みます。

入試国立大 現役合格率公立大 現役合格率
令和7年春273人中 118人43.2%51人中 32人62.7%
令和6年春264人中 134人50.8%64人中 31人48.4%
令和5年春267人中 136人50.9%59人中 34人57.6%

共通テストで全国平均を上回る学年でも、国立大の受験のうち合格に至るのは、この3年間でおよそ4割から5割です。 令和7年春は、延べ273件の国立大受験に対して合格118件でした。これは生徒の実人数ではなく、受験件数と合格件数の集計です。

4.東北大は現役の約3割。学部によっては、受験者全員が不合格。

地元から最も多く受験される難関大が東北大です。令和7年春、現役生は延べ58人が東北大を受験し、合格は18人でした。

東北大 現役合格率(令和7年3月卒業生)

31.0%

58人が受験し、合格18人

さらに学部別に見ると、年によっては受験者が全員不合格という学部が出ています。

東北大 学部別の現役 受験者数と合格者数(令和7年春・帯の長さが受験者数)
農学部
2 / 12
医学部
4 / 11
工学部
0 / 9
経済学部
4 / 8
文学部
3 / 5
法学部
4 / 5
歯学部
0 / 4
教育学部
1 / 2
理学部
0 / 1
薬学部
0 / 1
  • 合格
  • 不合格

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。現役生のみ。学校推薦型・総合型選抜による受験・合格を含みます。医学部11人中4人の内訳は、医学科が5人中1人。参考までに前年(令和6年春)は工学部14人中7人、理学部14人中0人、東北大全体で76人中30人でした。

令和7年春は東北大工学部を9人が受験し、現役合格は0人。
令和6年春は東北大理学部を14人が受験し、現役合格は0人。
単年の数字なので、これだけで学部の難易を断定することはできません。しかし、県内トップ校の生徒が二桁の人数で受験して、現役では一人も通らない年があるという事実からは、福島高校への入学だけで東北大合格が保証されるわけではないことが分かります。

5.共通テストで取れることと、二次試験で勝てることは違う

ここまでの数字は同じ卒業学年の集計ですが、共通テストの平均は受験者233名全体、東北大の結果は同大を受験した一部の生徒が対象です。この二つを並べただけでは、不合格の原因までは特定できません。

ところが、同じ学年の共通テストの平均と、東北大の学部別の結果を並べると、切り分ける手がかりが出てきます。

同じ学年の中での比較文・法・経済・教育理・工・医・歯・薬
共通テスト 総合平均(1000点満点)文系 710.1点(81名)理系 713.3点(152名)
東北大の現役受験(延べ)20人26人
東北大の現役合格率60.0%(20人中12人)15.4%(26人中4人)

出典:福島県立福島高等学校「令和7年度大学入試共通テスト 本校受験者数と平均点の推移」「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」「過去3年の 本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。共通テストの文系・理系は同校の区分(総合6教科8科目の受験者)です。東北大の数値は、同校が公表する学部別の受験者数・合格者数を、記載の学部だけ当塾が合算したもので、共通テストの文系・理系の区分とは対応しません。受験者数は延べ数。合格率は「合格者数÷受験者数」として当塾が算出。学校推薦型・総合型選抜を含みます。

共通テストの学年平均は、文系と理系でほとんど変わりません。
それでも、東北大の現役合格率はここまで割れます。

東北大 文・法・経済・教育

60.0%

20人が受験し、合格12人

東北大 理・工・医・歯・薬

15.4%

26人が受験し、合格4人

令和7年春・現役

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。現役生のみ。記載の学部の受験者数・合格者数を当塾が合算しました。

しかも、これは単年の偶然ではありません。3年とも同じ向きに出ています。

東北大 現役合格率 学部別の比較(福島高校)
令和7年春 文・法・経済・教育20人中 12人
60.0%
令和7年春 理・工・医・歯・薬26人中 4人
15.4%
令和6年春 文・法・経済・教育26人中 15人
57.7%
令和6年春 理・工・医・歯・薬42人中 13人
31.0%
令和5年春 文・法・経済・教育28人中 12人
42.9%
令和5年春 理・工・医・歯・薬36人中 9人
25.0%
  • 文・法・経済・教育
  • 理・工・医・歯・薬

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。現役生のみ。同校が公表する学部別の受験者数・合格者数から、文・法・経済・教育と、理・工・医・歯・薬をそれぞれ当塾が合算し、合格率を算出しました。東北大経済学部には文系入試と理系入試が併存しますが、学校公表表は両者を分けていないため、この図は受験型別の集計ではありません。学校推薦型・総合型選抜を含み、3年とも前者が後者を上回っています。

共通テストの平均がほぼ同じ一つの学年の中で、受けた学部によって合格率がここまで割れる。この差は、共通テストの得点力の差では説明がつきません。共通テストの先にある個別試験で、何かが起きています。

ただし、これで原因が二次試験の答案力だと確定するわけではありません。東北大では学部ごとに入試の難易そのものが異なりますし、公表資料には各受験者の共通テスト得点・二次試験得点も、学部別の選抜方式別受験者数もありません。ここで言えるのは、共通テストの得点力だけを見ていてはこの差を説明できない、ということです。

科目ごとに見ると、共通テストと二次試験で要求されるものは、次のように変わります。

科目共通テスト対策で身につくもの二次試験で追加して要求されるもの
数学誘導に沿って計算し、選択肢や解答欄の形に合わせる白紙から方針を立て、場合分けと論証を式と日本語で書き切る。
物理与えられた設定に既知の公式を当てはめる現象をモデル化し、自分で文字を置き、運動方程式や保存則から立式する。
化学知識と典型計算で選択肢を絞る未知の反応・平衡を条件から組み立て、過程を説明して数値まで導く。
そして、この二つは対策の向きが対称ではありません。

二次試験に通用する力をつければ、共通テストの得点は後からついてきます。しかし、共通テスト対策をどれだけ積んでも、二次試験の答案が書けるようにはなりません。これは公表データから導いた結論ではなく、当塾が指導の原則としている考え方です。だから順序は「共通テスト対策をしてから二次対策」ではなく、二次から始めます。

東大明倫塾が扱うのは英語・数学・物理・化学の記述答案です。初見の問題を読み、方針を立て、時間内に答案にする訓練を高1から積みます。志望大学の出題形式から逆算し、共通テストと二次試験の双方を必要な時期に対策します。

6.「合格者数」には、既卒(浪人)が含まれている

学校や塾が公表する「合格者数」は、多くの場合その年に卒業した生徒だけの数字ではありません。福島高校のデータは現役と既卒を分けて公表しているので、その比重が分かります。

合格者数に占める現役と既卒(帯の長さが合格者数の合計)
令和7年春
既卒 13.9%
令和6年春
既卒 19.9%
令和5年春
既卒 24.5%
  • 現役の合格
  • 既卒の合格

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。短期大学・省庁大学校を含む総計(順に532件・563件・645件)です。割合は当塾が算出。合格者数は延べ数で、同一の生徒が複数の学部・日程に合格した場合はそれぞれ計上されます。

令和5年春は、合格645件のうち158件が既卒生によるものでした。約4件に1件です。合格実績の数字を見るときは、それが現役の数字なのかどうかを必ず確認してください。

7.「合格者数」ではなく「進学先」で見ると、風景が変わる

もうひとつ、合格者数だけでは分からないことがあります。私立大の合格者数は延べ数で、同じ生徒が複数の学部・方式に合格すればその分だけ積み上がります。しかし、進学できるのは1人1校です。福島高校は、令和6年度について大学別の現役の進学者数も公表しています。

主な私立大の現役合格者と、そのうち進学した人数(令和6年度・帯の長さが現役合格者数)
法政大
6 / 26
明治大
6 / 26
東北学院大
5 / 17
中央大
1 / 14
東京理科大
5 / 12
東洋大
3 / 11
早稲田大
6 / 11
立教大
2 / 10
慶応大
5 / 7
  • 進学した
  • 合格したが進学しなかった

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」より。現役生のみ。既卒を含めた合格者数は法政大32人・明治大30人・中央大18人などで、さらに大きくなります。

現役で法政大に合格した26名のうち、進学したのは6名。中央大は14名中1名です。

これは私立大が「劣る」という話ではありません。多くは国公立大の併願先として受験されており、合格しても進学しないだけです。だからこそ、合格者数のランキングは、生徒が実際に進んだ先の順位とは別物になります。同じデータを進学者数で並べ直すと、次のようになります。

福島高校 現役の進学先(令和6年度・進学者数の多い順)
福島県立医大
21人
新潟大
19人
東北大
16人
福島大
16人
埼玉大
9人
千葉大
6人
法政大
6人
明治大
6人
早稲田大
6人
山形大
5人
筑波大
5人
慶応大
5人
東京理科大
5人
東北学院大
5人
宮城教育大
4人
東京学芸大
4人
神奈川大
4人
  • 国公立大
  • 私立大

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」より、現役の進学者数の多い順に当塾が並べ替え。福島県立医大の21名は医学部13・保健科学部5・看護学部3の内訳。以下(3名)は北海道大・茨城大・宇都宮大・横浜国立大・東北医科薬科大・東洋大。進学者数が公表されているのは令和6年度分のみのため、この図は1年分です。既卒者の進学先は公表されていないため、現役のみの集計です。

1年分の数字なので、順位は年によって入れ替わります。特に1桁台の大学は、数名の増減で順位が大きく動きます。ここで読み取ってほしいのは細かい順位ではなく、進学先の中心が東北・北関東の国公立大にあり、最難関大へ進む生徒はひと桁にとどまるという分布の形です。なお東大の現役合格者数は、令和5年春・6年春・7年春でそれぞれ1名・5名・2名です。

現役の進学者は合計218名で、区分別の内訳は次のとおりです。なお218名は進学した生徒の数であり、卒業生数ではありません(浪人を選んだ生徒は含まれません)。

令和6年度 福島高校 現役進学者218名の内訳
国立大218人中 111人50.9%
私立大218人中 75人34.4%
公立大218人中 30人13.8%
短大・海外218人中 2人0.9%

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」より。割合は当塾が算出。国公立を合わせると141名(64.7%)。

上位は、県立医大・新潟大・東北大・福島大・埼玉大と、東北から北関東にかけての国公立大が占めます。一方、この年に最難関大へ現役で進んだのは東大2名・一橋大2名・東京科学大1名の計5名で、京大は0名でした。首都圏の私立大も、早慶で計11名です。

これは福島高校を低く見る話ではありません。むしろ、県内トップ校から最難関大へ現役で進むのは、ごく少数だという事実を示しています。そこを目指すなら、学校の平均的な進度・演習量とは違う準備が要ります。東大明倫塾が対象にしているのは、この層です。

8.医学部医学科は、入試方式を分けて見る

入学直後に「福島県立医大を目指す」と言う生徒は少なくありません。医学科の合格を、現役/既卒、一般選抜/推薦・総合型まで分解すると、次のようになります。

令和6年度 福島高校 医学部医学科 合格28名の内訳
合格28名
  • 現役・一般受験 5名
  • 現役・推薦/総合型 12名
  • 既卒 11名

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」より。全大学の医学部医学科の合計。

医学科の合格28名のうち、現役が一般選抜で勝ち取った合格は5名です。

内訳の中心は福島県立医大です。同大医学科への現役合格13名のうち、一般受験によるものは2名、学校推薦型・総合型によるものが11名でした。

福島県立医大(令和6年度)現役合格うち一般受験うち推薦・総合型既卒合計
医学部医学科13人2人11人1人14人
看護学部4人2人2人4人
保健科学部5人1人4人1人6人
全学部 計22人5人17人2人24人

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」より。

福島高校の現役医学科合格17件に限れば、推薦・総合型が12件(70.6%)でした。割合は当塾が算出しています。一方、福島県立医科大学の入学者全体では一般選抜65名、その他の選抜65名であり、学校側の合格内訳と大学全体の枠構成は同じではありません。

令和8年度 医学部 入学者130名の内訳入学者数全体に占める割合
一般選抜(前期日程)65人50.0%
学校推薦型選抜55人42.3%
総合型選抜5人3.8%
海外教育プログラム選抜5人3.8%

出典・注記:福島県立医科大学「医学部 入学者選抜状況」(令和8年4月16日)より。一般選抜(前期日程)の65名は一般枠40名・地域枠25名の内訳。割合は当塾が算出。

令和8年度 福島県立医科大学 医学部 一般選抜(前期日程)募集人員志願者数志願倍率
一般枠45人326人7.2倍
地域枠25人93人3.7倍
前期日程 計70人419人6.0倍

出典・注記:福島県立医科大学「医学部 入学者選抜状況」(令和8年4月16日)より。前期日程の募集人員70名は、一般枠45名・地域枠25名の内訳です。枠ごとの志願倍率は志願者数÷募集人員として当塾が算出しました(大学公表値は前期日程計の6.0倍)。

「医学部に合格」だけでは不十分です。
一般選抜で合格したのか。推薦で合格したのか。そこまで見なければ、合格実績の意味は分かりません。

9.地元国立大と難関大の間には、大きな段差がある

ここまでの数字は、「福島大も危ない」という話ではありません。福島大の現役合格率は、令和7年春が22人中18人(81.8%)、令和6年春が26人中19人(73.1%)、令和5年春が42人中33人(78.6%)でした。少なくともこの3年は、福島高校の受験者の7割以上が現役合格しています

主要大学の現役合格率(令和7年3月卒業生)
福島大22人中 18人81.8%
福島県立医大(全学部)28人中 22人78.6%
筑波大14人中 5人35.7%
東北大58人中 18人31.0%
千葉大24人中 7人29.2%

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。受験者数は延べ数。合格率は「合格者数÷受験者数」として当塾が算出。学校推薦型・総合型選抜を含みます。

福島大の一般選抜そのものは、決して易しい入試ではありません。令和8年度の前期日程では、受験した1,266人のうち603人が不合格になっています。

令和8年度 福島大学 一般選抜

日程募集人員志願者受験者合格者実質倍率
前期日程538人1,397人1,266人663人1.9倍
後期日程157人1,903人576人193人3.0倍
合計695人3,300人1,842人856人2.2倍

出典・注記:福島大学「令和8年度 一般選抜」(令和8年3月27日現在)より。実質倍率は受験者数÷合格者数として当塾が算出。なお後期日程は志願1,903人に対し受験576人ですが、これは前期で合格した受験生が受験しないためです。日程をまたいで合算した倍率は実態より高く見えるため、ここでは日程ごとに分けて示しています。

この比較から直接言えるのは、令和7年春の福島高校の受験者群では、福島大の現役合格率が81.8%だったということです。福島大・東北大・千葉大では、大学の難易度、学部構成、受験者層、選抜方式が異なります。公表された集計だけから、合格率の差を「県内の競争」と「全国の競争」の違いに帰すことはできません。

県内トップ校に入ったことと、全国の土俵で勝てることは、別問題です。

首都圏の私立大も見ておきます。ただし私立大は同じ生徒が複数の学部・方式に出願するため、受験も合格も延べ件数で数えます。上の国公立の数字とは母数の性質が違うので、大学どうしの難易を比べる表ではありません。同じ大学の中で、受けた件数に対してどれだけ通ったかを見る表です。

私立大現役の合格(延べ・令和7年春)合格率
東京理科大25人中 12人48.0%
早稲田大27人中 11人40.7%
明治大65人中 26人40.0%
法政大71人中 26人36.6%
中央大42人中 14人33.3%
立教大39人中 10人25.6%
上智大5人中 1人20.0%

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」(2025年4月1日現在)より。私立大は同一生徒が複数学部・複数方式に出願するため、受験者数・合格者数とも延べ数です。実際に合格した生徒の人数の割合ではありません。

10.県内トップ校に入っただけでは、大学受験の保証にはならない

同じ大学でも、どの入試方式で入るかによって競う相手は変わります。地元の医科大学の入学者を出身地別に見ると、それがはっきり数字に表れます。

福島県立医科大学 医学部 入学者に占める県内出身者の割合(令和8年度・入試方式別)
一般選抜(一般枠)40人中 2人5.0%
一般選抜(地域枠)25人中 2人8.0%
学校推薦型選抜55人中 35人63.6%

出典:福島県立医科大学「医学部 入学者選抜状況」(令和8年4月16日)より。

地元の医科大学でありながら、一般選抜で入学した65名のうち県内出身者は4名です。一方、学校推薦型選抜では55名中35名が県内出身者です。一般選抜という土俵に立った時点で、相手は全国の受験生です。

11.推薦入試は悪ではない。問題は、デメリットが語られないこと

学校推薦型選抜・総合型選抜には、確かにメリットがあります。評定を積み重ねた生徒、活動実績がある生徒、志望理由を深く考えている生徒にとっては、有効な選択肢になることがあります。しかし、問題はそこではありません。

推薦入試のメリットだけを伝え、デメリットを伝えないことが問題です。
項目メリットとして語られやすいこと見落とされやすい論点
時期年内に合格が決まりやすい合格後に学力維持を怠ると、大学入学後に苦戦しやすい。
評価軸評定・面接・小論文・活動実績を使える一般選抜で必要な英数理の得点力が十分に鍛えられない場合がある。
安全性一般選抜より早く進路が決まる不合格後に一般選抜へ切り替えるには、科目学力が必要。
合格実績大学名としては強く見える一般選抜で合格した実績とは意味が違う。大学名だけでは判断できない。
将来入学後は同じ大学生になる就職活動などで、入試方式や学力形成の過程を問われることがある。

文部科学省の大学入学者選抜実施要項でも、総合型選抜・学校推薦型選抜において、大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等を適切に評価することが求められています。つまり、推薦型・総合型も本来は「学力を見なくてよい入試」ではありません。

出典・注記:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」より。

福島高校の令和6年度のデータでは、現役で国公立大に合格した150名のうち32名が学校推薦型・総合型による合格でした。公立大に限れば、現役合格32名中17名と過半数を占めます。推薦を選ぶこと自体は否定されるべきではありません。ただし、それを「一般選抜でも通用する学力がついた証拠」と取り違えてはいけません。

出典:福島県立福島高等学校「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」より。

12.首都圏トップ校の生徒は、学校だけで戦っているわけではない

福島では、「学校の授業だけで十分」という空気が生まれやすいかもしれません。しかし、全国の難関大学を目指す競争相手は、学校だけで準備しているわけではありません。

学校東大専門有名塾の在籍者数学校東大専門有名塾の在籍者数
開成1003名桜蔭921名
筑波大附属駒場581名麻布605名
海城559名駒場東邦313名
筑波大附属466名豊島岡466名
女子学院304名雙葉275名

出典・注記:東大受験を専門とする大手進学塾が公式サイトで公表している「指定校・在籍生数一覧」(2026年5月現在)より。在籍者数は中学1年〜高校3年の全学年の合計であり、1学年あたりの人数ではありません。

厳密な「通塾率」は学校・学年ごとに公表されていないため、一律に断定することはできません。しかし、難関大志望層において、学校外で高度な受験指導を受けることが少なくとも各校から多数いることは読み取れます。この1塾の在籍者数だけから、難関大志望層全体の通塾率や「標準」を推定することはできません。
大学受験の相手は、福島県内だけではありません。
首都圏のトップ校には、学校外でも長期的に準備する生徒が多数います。

13.数学・物理・化学は、中学校の勉強の延長ではない

高校の数学・物理・化学は、単なる受験科目ではありません。これらは、大学で理工系・医学系・薬学系・情報系・経済系などの学問を学ぶための言語であり、基礎体力です。

科目中学校までの感覚難関大学に必要な感覚
数学公式を覚えて計算する科目定義・条件・論理を使い、初見の構造を読み解く科目。
物理公式に代入して答えを出す科目現象をモデル化し、微小量・保存則・近似を使って考える科目。
化学暗記量の多い理科科目物質の構造、反応、平衡、エネルギーを体系で理解する科目。
難関大学に通用する数学・物理・化学は、「定期テスト対策」とは別物です。

数学・物理・化学を難関大学に通用する水準で教えるには、単に教科書の解法を説明できるだけでは足りません。大学での学問への接続を理解し、入試答案として何を書くべきかを分かり、さらに高校生がどこでつまずくかを見抜く必要があります。

「学校で習った範囲を復習する」ことと、大学入試で初見問題に対応できるように鍛えることは違います。難関大学を一般選抜で目指すなら、数学・物理・化学は早い段階から高い水準で積み上げる必要があります。

14.就職活動でも「入試方式」が見られることがある

「大学に入ってしまえば、入試方式など関係ない」と考える人もいます。しかし、就職活動において、大学名だけでなく、履修履歴、成績、活動実績、そして場合によっては大学への入試方式まで確認されることがあります。

2014年の PRESIDENT Online の記事では、推薦や AO 入試の枠が増えていることを背景に、面接で一般入学か推薦入学かを問う人事部が多いという指摘が紹介されています。また、就職支援サイトでも、総合商社・ゼネコン等で「一般入試、内部進学、AO入試、指定校推薦」といった入試形態をエントリーシートで確認する項目があったとの報告が紹介されています。

出典・注記:PRESIDENT Online「人事部が『何としても欲しい』学生 人柄より学力重視へ」、PRESIDENT Online「有名大教授が見た『内定が取れた子、取れない子』」、unistyle「一般有利、AO不利!? 選考では大学への入試形態も見られるかも」より。いずれも2014〜2015年の記事で、個別の取材例です。現在の採用全般の傾向や、入試方式による一律の有利・不利を示す資料ではありません。

ここで言いたいのは、「推薦だから必ず不利」という単純な話ではありません。重要なのは、自分の大学合格を、将来の面接でどう説明できるかです。

「一般選抜で、全国の受験生と同じ土俵で戦い、合格しました」——これは、大学受験で積み上げた努力を説明する材料のひとつになります。

15.合格実績は「大学名」ではなく「入試方式」まで見る

合格実績を見るとき、多くの方は「どの大学に合格したか」だけを見ます。しかし、本当に見るべきなのはそれだけではありません。

見るべき項目確認することなぜ重要か
大学名どの大学・学部か入口の難易度は大学・学部で大きく異なる。
現役か既卒かその年に卒業した生徒の合格か合格者数には既卒の合格が含まれる。年によっては4件に1件。
入試方式一般選抜か、推薦型・総合型か問われる力が違う。一般選抜は全国の受験生と学力で正面から競う。
科目と得点力英数国理社のどこで勝ったか大学入学後にも必要な学力の土台になる。
入学後の耐久力合格後も学び続けられるか合格はゴールではなく、大学生活のスタート。
大学名だけで、合格実績を見ていませんか?

16.東大明倫塾は、推薦対策の塾ではありません

東大明倫塾は、一般選抜で勝ち切る生徒のための塾です。
当塾が重視すること内容
志望大学からの逆算学校進度ではなく、入試本番から逆算して必要な時期に必要な単元を仕上げる。
一般選抜の答案力初見の問題を読み、方針を立て、時間内に答案にする力を鍛える。
全国基準の演習県内順位ではなく、全国の受験生と戦う前提で演習する。
入学後に通用する学力数学・物理・化学を、大学で学問を続けるための基礎として鍛える。
推薦入試を第一目標にする生徒には、当塾の方針は合わない可能性があります。一方で、「一般選抜で難関大学・医学部に挑戦したい」「学校進度だけでは不安だ」「本当に全国で戦える学力をつけたい」という生徒には、当塾の指導方針が合います。

17.まず家庭で確認してほしいこと

この資料を読んだあと、すぐに塾を探す必要はありません。まず、家庭で次の3つを確認してください。

  1. 志望大学の一般選抜の過去問を、親子で実際に見てください。
  2. その大学の合格実績を見るとき、現役か既卒か、一般選抜か推薦型・総合型かを分けて確認してください。
  3. 数学・物理・化学が、学校の定期テスト対策ではなく、大学で学問をするための基礎になっているかを確認してください。

そのうえで、次の問いにはっきり答えられるでしょうか。

  1. 志望大学の一般選抜の過去問を、実際に見たことがありますか。
  2. その大学に必要な共通テスト得点率・二次試験科目を説明できますか。
  3. 共通テストで取れることと、二次試験で勝てることの違いを説明できますか。
  4. 学校の授業進度で、その大学の入試演習に間に合う理由を説明できますか。
  5. 合格実績を見るとき、現役の合格かどうかを確認していますか。
  6. 医学部合格実績を見るとき、一般選抜か推薦型選抜かを確認していますか。
  7. 推薦入試のメリットだけでなく、デメリットも説明されましたか。
  8. 数学・物理・化学を、大学で学問をするための基礎として学べていますか。
  9. 首都圏トップ層が学校外でも高度な学習を進めている現実を知っていますか。
  10. 就職活動で自分の大学受験を説明できるだけの努力を、高校時代に積み上げていますか。
3つ以上答えに詰まる場合、大学受験を高校受験の延長で考えている可能性があります。

18.まずは、志望大学の入試問題を見てください

説明を読むだけでは、危機感は本物になりません。一番大切なのは、実際の入試問題を見て、自分の現在地を知ることです。学校の教材で解けている問題と、志望大学が要求する問題との距離が、そこで初めて具体的になります。

学校の授業だけで十分かどうかは、
志望大学と入試問題を見なければ判断できません。

現在地の見立てや、そこからの学習計画についてもご相談ください。

来塾予約・学習相談

お電話でも承ります: 090ー9976ー8421

本ページで用いた福島高校の数値は、同校が公表している進路資料(「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」「令和7年度大学入試共通テスト 本校受験者数と平均点の推移」)から当塾が転記・集計したものです。合格率など公表値にない数値は、その旨を各表に明記したうえで当塾が算出しました。数値の解釈は当塾によるものであり、同校の見解を示すものではありません。