高1の4月までです。当塾の答えは、これに尽きます。ただし「早いほど良い」という一般論として言っているのではありません。理由があり、そして当塾にとって不都合な帰結も含みます。
共通テストの得点力は、合否を決めていません
福島県立福島高等学校が公表している令和7年春の進路データでは、同じ学年の中で、東北大学の現役合格率が、受けた学部によって次のように分かれています。
| 東北大の学部 | 同学年の共通テスト総合 | 東北大 現役合格率 |
|---|---|---|
| 文系(文・法・経済・教育・医の医学科以外) | 文系 710.1 / 1000 | 57.7%(26人中15人) |
| 理系(理・工・農・医学科・歯・薬) | 理系 713.3 / 1000 | 9.4%(32人中3人) |
共通テストの平均点は、ほぼ同じです。それでも、現役合格率には6倍を超える開きがあります。同じ学校の、同じ学年の生徒です。
もちろん、東北大では学部ごとに入試の難易も倍率も違いますし、公表されているのは集計値だけで、個々の生徒の成績は分かりません。共通テストの文系・理系は同校の区分で、東北大の学部の並びとは対応しません。この表から「理系が不利だ」と結論することはできません。
この表から言えるのは一つだけです。共通テストの得点力だけでは、合否の差は説明がつかない。
説明がつかない部分に、時間がかかります
共通テストで測られるのは、限られた時間で正しい選択肢に到達する力です。国公立大の二次試験で問われるのは、白紙から論証を組み立て、それを他人が読める形で書き切る力です。別の能力です。
前者は、演習量を積めば高3の一年でも動きます。後者は動きません。書けるようになるには、書いたものを読んで直す人が要り、それを繰り返す時間が要ります。
同じ資料では、令和7年春の国立大学の現役合格率は延べ273人中118人で43.2%、福島大学に限れば22人中18人で81.8%でした。地元国立と難関大のあいだには段差があり、その段差の正体が、いま述べた「説明がつかない部分」だと当塾は考えています。詳しくは 数字で読む、一般選抜の現在地 にまとめました。
なぜ「高1の4月まで」なのか
当塾は、高校3年間分の教科書の内容を、高校入学後1年以内で一周します。教科書の全体像が見えて初めて、受験勉強に着手できるからです。そのうえで、繰り返し前に戻りながら深度を上げていきます(カリキュラム)。
この設計である以上、開始点が後ろにずれると、一周が終わる時点も後ろにずれます。 高2の夏に始めた生徒は、高3の夏に一周が終わることになります。そこから深度を上げる時間は、ほとんど残りません。
「高1の4月まで」は、当塾の理想ではなく、この進度設計の帰結です。
当塾にとって不都合な帰結
以上を裏返すと、こうなります。高校入学後の途中入塾は、当塾ではかなり厳しくなります。 進度と深度の両方に追いつく必要があるためです。ご希望があれば、レギュラー講義に加えて個別指導でできる限りのフォローをしますが、無条件に「間に合います」とは申し上げません。
また、当塾が教えるのは、二次試験で戦うための内容です。共通テスト対策だけ、あるいは高校の定期テスト対策だけを求めておられる場合、他塾をお勧めすることがあります。 それは断りの言葉ではなく、目的が違うという意味です。定期テストで点を取ることと、二次試験で書き切ることは、必要な訓練が別だからです。
では、高2・高3の方はどうすればよいか
一般論として「もう遅い」と申し上げるつもりはありません。現役で難関大に合格する生徒は毎年います。
ただ、残り時間が短いほど、やらないことを決める精度が合否を分けます。何を捨てるかの判断には、その大学の入試を長く見てきた人間の目が要ります。ご相談いただければ、当塾で引き受けるべきか、他の方法がよいかを含めてお答えします。
数値は福島県立福島高等学校の公表資料(「令和6年度 本校卒業生大学合格者数」および「過去3年の本校卒業生大学受験者数及び合格者数の推移」2025年4月1日現在)より、当塾が転記・集計しました。現役生のみで、受験者数は延べ数です。学校推薦型・総合型選抜による受験・合格を含みます。共通テストの文系・理系は同校の区分で、東北大の学部の並びとは対応しません。数値の解釈は当塾によるものであり、同校の見解を示すものではありません。