図を見れば分かるのに、証明になると書けない。このとき足りないのは、使ってよい事実か書き方のどちらかです。センスの問題ではありません。
「分かっているのに書けない」の正体
一貫校では、図形の証明を公立中学より早い時期から扱う学校があります。そこで、図を見て「この2つの三角形は合同だ」と気づけるのに、答案にすると手が止まる、ということが起こります。
これは、見えていることと、書いてよいことの区別がまだついていない状態です。証明で根拠にできるのは、問題の仮定と、すでに学んだ定理だけです。「図でそう見える」は根拠になりません。
順番1 使ってよい事実を、自分で一覧にする
これまでに学んだ定理を、自分の手で一覧にします。対頂角は等しい。平行線の錯角・同位角は等しい。三角形の内角の和は180°。三角形の合同条件。二等辺三角形の底角は等しい。
一覧があると、「根拠として書けるもの」の範囲がはっきりします。証明の途中で迷ったら、一覧のどれが使えるかを探せばよくなります。
順番2 結論から、さかのぼって考える
証明を考えるときは、結論から逆にたどります。たとえば「AB=AC」を示したいなら、「何が言えれば、それが言えるか」を考えます。「三角形ABDと三角形ACDが合同なら言える」。では、その合同を言うには、どの辺とどの角が等しければよいか。
こうしてさかのぼり、仮定に行き着いたら、考える作業は終わりです。あとは向きを逆にして、仮定から結論へ書くだけです。
順番3 1行に1つの根拠を書く
書くときは、1行に「言えること」と「その根拠」を1つずつ置きます。「仮定より、BD=CD」「対頂角は等しいので、∠AOB=∠COD」のように、根拠のない行を作らないことです。
根拠が抜けた行は、読む人から見ると「なぜそう言えるのか」が分かりません。定期テストでも入試でも、根拠の抜けは減点の対象になります。
順番4 模範解答と比べるときは「根拠の抜け」だけを見る
自分の答案と模範解答を比べるとき、言い回しの違いは気にしなくて構いません。見るのは、模範解答にある根拠が、自分の答案で抜けていないかだけです。抜けていた根拠は、順番1の一覧に足しておきます。
高校の数学でも、同じ書き方を使う
この書き方は、図形だけのものではありません。高校で扱う整数の性質、不等式の証明、数学的帰納法も、「使ってよい事実から、1行ずつ根拠を付けて結論まで」という形は同じです。中学の図形で書き方を身につけておくと、大学入試の記述答案にそのままつながります。
東京校のオンライン個別指導では
1対1なので、書いた答案を一緒に見て、どの行の根拠が抜けているのかをその場で確かめられます。学校の問題集や定期テストの答案を持ち込んでも、講師による当塾のオリジナルテキストを使っても構いません。